財政のお話-01

私は経済の専門家ではありません。大学は建築学科及び工業デザイン学科の修士課程で、広島のゼネコンに就職。建築士・土木施工技師として、28才で総合建設の会社を興しました。47才で市議会議員に出馬。昨年70才で市議会議員を辞めて、今は晴耕雨読の年金生活を楽しんでいる「髪結いの亭主」です。

経済に興味を持ったのは、松下幸之助さんの「無税国家論」からです。元来、教育と歴史部門は得意でしたが、議員になってからは、経済が分からなくては行政側と勝負出来ないと思い、必死で「ケインズ理論」「資本主義経済論」「社会主義経済論」等を勉強しました。

そのうち10年くらい前に、高橋是清さんの「高橋財政」に出会い、一挙に、今の日本の不況と財政手法に対して、いくつもの疑問が噴出してきたという訳です。

さて、そろそろ本題に入りましょう。 「財政再建派の岸田総理」から話を始めます。岸田さんが総裁選の「岸田ビジョン」の柱として「令和版:所得倍増計画」を打出されたのを覚えていますか? 

私が総理になれば、例えば所得が300万円の人が600万円になるような経済政策を行うことをお約束します」と、北朝鮮の金豚のように手帳をかざして宣言されました。

ご存知のように、この「所得倍増計画」は、昭和53年(1960年)に池田勇人内閣が掲げた経済政策のコピーです。 池田総理は、10年間で国民の所得を2倍にすると宣言され、様々な経済対策を行いました。

1960年度のGDP(国内総生産額)は13兆6千億円でしたから、2倍の26兆円を10年以内に実現するというもので、1960年度から年平均11%の経済成長率を維持し、実質的には7年後の1967年で所得倍増は達成されました。

その時に、池田内閣が行った経済政策は、①減税 ②社会保障 ③公共投資の3本柱でした。 つまり、国民の負担を軽減し、政府がシッカリお金を使うという政策で、これほど早期に所得倍増が実現したのです。昭和と令和では、時代背景が違うと言われるかも知れませんが、世の中にお金が循環しなければ景気は良くならないという事実だけは変わりません。

政府が社会保障や公共事業に十分なお金を使えば、各種民間企業の仕事が増えて新規雇用も増加し、豊かになった国民の購買力も上がって物が売れ、需要が増せば生産力が上がり、社員の給与も上がっていくという「正しいお金の循環」です。

それなら岸田内閣は何をすれば良いか? そうです。池田内閣と同じように、年平均11%以上の経済成長率を維持するために、まず①消費税の減税(又は廃止)、各種租税の見直しをして、②福祉・教育などの社会保障を充実させるために各法例の改正をした上で、日本国民の為の適切な予算を充分に配分すること。

また、世界で最も大災害が多発する国として、堤防・砂防ダム・河川改修・道路保全・橋の架け替え等を積極的に行い、経済発展のための高速道路網や新幹線網の拡張を全国に展開し、地方の隅々まで適材適所に、③公共投資をすれば良いのです。

▼そこで言われるのが、「どこにそんなお金があるんだ!これ以上、国の借金を増やすのか!」という声です。

*財務省によりますと、国債と借入金、それに政府短期証券を合わせた政府の債務、いわゆる“国の借金”は、今年3月末の時点で1216兆4634億円となり、5年連続で過去最大を更新しました。去年の3月末と比べた1年間の増加額は101兆9234億円で、比較が可能な1997年度以降で初めて100兆円を超える大幅な増加となりました。

さあ、これからが面白いのですが、後日のお楽しみ~ 1/10分