東京の思い出

3年ぶりに東京に行ってきました。やっぱり景気は都心の一人勝ちですね。あちこちで、高層マンションの建築ラッシュ。

いつも思っていました。廿日市と都心では人口比100対1ですから、廿日市駅通りの通行人が1人居れば、東京では100人。毎日お祭りですよ。

次男が都心の大学へ進学した時、練馬にアパートを借りていた事があります。引っ越しの手伝いがてら夫婦で行った時、道路巾4mくらいの小さな商店街に面した所だったので、近くの小汚い中華料理屋で昼食をとりました。

カウンターで食べたのですが、ギトギトの油が服に付き、その不潔さに頭にきて、食べかけた途中で女房に、「おい、帰るぞ。きたねー店だな」と小声で言うと、店主は驚いたような顔。

勿論、お金は払いましたが不快でしょうがない。アパートに帰って息子に話すと、「この商店街に美味しい店はないよ。でも、どの店も潰れないからね」と。

不思議に思っていると夕方6時ころから、狭い道路一杯にサラリーマン帰宅者の大行列ができて、山手のマンション群へ消えていきます。

商店街も毎日の事ですから、酒屋はイスと小さなテーブルを道に出して、ビールを売る。肉屋は、それをあてにして大型バーベキューコンロを店頭に出して、串差しの肉を売る。居酒屋は、簡単なつまみを紙皿に入れて呼び込みをする。

平日の夕方が毎日祭りなんですよね。当時の練馬の駅の1日の乗降客は、確か廿日市駅の70~80倍近い数でしたから、商店街も無駄な努力をするわけがない。昼の客なんか当てにしていない。だから、店が汚くてもOK、たばこ屋の看板娘が80過ぎのババアでもOKなんです。

昨夜も、ホテル近くの居酒屋で飲みましたが、笑うしかない味でした。東京の飲食業者は、ある意味、都心の莫大な購買力にあまりにも甘えすぎていますね。本当に普通に美味しい店は、ビックリするほど高いですから。広島に生まれて広島に住んでいる自分が、本当に幸運に思えます。