責任者不在

>そう、海上保安庁の船は 有事は防衛省に指揮下になるのに、予算は国交省。しかも整備予算は雀の涙。

少し、自衛隊と海上保安庁の関係について書いてみたいと思います。

「海上保安庁法第25条」には、「この法律のいかなる規定も海上保安庁またはその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」とあります。

しかし他方、「自衛隊法第80条」では、「内閣総理大臣は、自衛隊の全部または一部に対する出動命令があつた場合において、特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れることができる」と規定されています。

軍事行動ではありませんが、ソマリアの海賊対処等には、相手が軍隊ではないため、法律で取り締まろうとすると「逮捕権」などの整理上、海上保安庁の人が行って「海洋法を執行」する必要が生じますから、海上自衛隊の船舶に海保の職員が同乗するようです。 

数々の国際法上、自衛隊だけでなく、海保も一緒に行動しないと、最終的に取り調べや、立件して法で裁く事が出来ないという事案も想定される訳です。

小市民さんが言われた通り、海保は石垣にも新たに第12管区をつくり、各管区から船を集め、そこから機動展開して尖閣を必死に守っている状況です。確かに船も人員も足りませんよね。

本家の米沿岸警備隊(United States Coast Guard)では、日本の名ばかり「JCG」と違い、陸海空軍、海兵隊と並ぶ合衆国軍の公式な一部門です。

合衆国法典第14 編第1条には、「軍であり、常に合衆国軍の一部門を成す」とあります。(但し、予算はNATOが定義する国防費には計上されていません)

このように日本は、海保と自衛隊が別建ての予算なのです。それなのに、防衛予算水増しのために、海保に入れるべき予算を防衛費に組み入れようとする財務省には呆れかえります。

海保は海保で、予算不足なのですから、海保の予算は要求枠から独自に増やすべきものです。それでも海保の予算を組み入れるなら、「海上保安庁法第25条」を改正して、米のように軍隊の一部門とすべきですが、今度は公安管轄の警察庁が問題になります。

日本の縦割り行政は、「管轄権=省庁予算」ですから、そう簡単には行かないでしょうが、国民の生命と財産を守る事が国の存在意義です。

国土防衛は国の最重要課題だと、各国会議員が認識していれば、このような問題が起こる訳も無く、政治に財務官僚が口出しする異常さにも気付く筈です。

もう一度言いますが、国土交通省管轄の港湾整備や、海保要求額の算入などで防衛予算が「水増し」されれば、大幅増額が必要な自衛隊のための「真水」の予算が減ってしまうのです。

岸田首相は、このような愚策を封じる責任者である事を自覚して頂きたい。