輸送や国土について

そう、都市部と地方の豊かさの差は「人口規模供給力消費力」にあると思います。しかし、供給の大半を大型トラック輸送に頼っている現実に亀裂が入ってきました。

昭和60年代くらいから「きつい・汚い・危険の3K」として嫌われ、平成には「運転手の高齢化問題」に移行して、「長距離輸送の運転手不足」となった訳です。

では、どうすれば良いのか? 確かに鉄道による供給力は、トラック輸送を遥かに上回ります。でも、日本は山林大国(下文を参照)ですから、鉄道供給網の整備は、JRの既得権益等があるため、道路整備以上に高価でメンドクサイ!

そこで提案。今の国内貨物の輸送割合をご存じでしょうか? 自動車輸送55.4%に次いで多いのは内航海運40%、鉄道輸送は4.5%、航空機0.1%となります。

しかも、世界規模の保有船数は、1位ギリシャ18%、2位シナ13%、3位日本11%。実は日本は、既に海洋大国なんですよ。

ですから、遠距離国内輸送は主に船舶で行い、港からコンテナ鉄道貨物輸送、最寄りのJR駅からはトラック輸送にすれば、最も効率の良い安全な供給が出来るのです。

しかし、問題は世界を相手にするハブ港です。日本の海運産業が集中する瀬戸内海の「今治造船グループ」の造船建造量は、日本全体の37.4%を占めています。しかも、鋼板を含む材料や部品は、全て日本製にこだわった造船造りのポリシーにはしびれます。

瀬戸内海のスーパー中枢港湾は大阪と神戸。他に東京湾・横浜・名古屋・四日市がありますが、ハイパー中枢港湾(国際ハブ港)は無く、輸送量で、シナと韓国に大きな差をつけられています。

今、造船所の跡地利用を考えている呉港。あの敷地面積なら国際ハブ港も夢ではありませんが、鉄道輸送が問題です。未だに単線では国が相手にしないかも。

何度も複線化の機会があったのに、歴代の呉市長も県知事も大きなビジョンが描けない人が多い。地元の国会議員さんも、力量がつかめない人ですからね。

さて、ちょっとわき道に逸れますが、日本は欧米と違い、可住面積(全体面積から山林面積・湖沼面積を引いたもの)が極端に少ない国です。平均は32.97%

一番広いのは大阪で、70.02%、東京は64.85%、愛知は57.91%。広島は27.11%、一番狭いのは高知で16.35%です。

一方、米は75.3%、英88.4%、仏72.1%、独69.3%。何で日本は狭いんや~と思われますが、これは国土の誕生の仕方が違う。

今の日本国土は、ユーラシアプレートと北アメリカプレートに乗っかかり、太平洋プレートとフイリッピンプレートが下に潜り込んでいる珍しい場所です。

アフリカ辺りを中心とした地殻移動が起こり、世界の4つのプレート地殻が最終的にぶっつかった所が今の日本。

その4つの地殻がせめぎ合い、地殻を押し上げて出来たのが日本列島ですから、国土面積の7割近くが山林というのも、ある意味、仕方ない処なんでしょうね。