地球温暖化はCO2だけが悪者か?

私は、スエーデン出身の16才の環境活動家「グレタ・トゥーンベリ」さんを、素直に称賛できません。

グレタさん

何か引っかかる所があるので、色々調べてみたら、CO2温暖化説自体が怪しい事が分りました。  これから、『「地球温暖化」の不都合な真実』(マーク・モラノ著)を取り寄せて読んでみようと思います。  まず世間の常識を捨て、納得できる答えを探せ。ですね。  今回は少し長いですが、お付き合い下さい。 本を読み終わったら、また続きを書くかもしれません。

【ソロモンの頭巾】気候変動の舞台裏 「地球温暖化」不都合な真実とは 長辻象平 2019.10.9 07:46

https://www.sankei.com/column/news/191009/clm1910090004-n1.html

・・・実は今夏、IPCCとCO2温暖化説の根幹を揺るがす事態が起きていたのだが、日本ではほとんど知られていないのだ。 IPCCは数年ごとに地球温暖化に関する評価報告書を発表している。  2001年の第3次報告書には米ペンシルベニア州立大学のマイケル・マン教授が作成した過去千年間の北半球の気温変化を示すグラフが掲載された。  紀元1000年以降、ほぼ横ばいで推移した気温が1950年から一気に右肩上がりに転じたことを示すグラフだ(その形から「ホッケースティック曲線」と呼ばれる)。 人類が大気中に増やしたCO2のせいで気温の急上昇が進行中というイメージを全世界に広める役目を果たした。

 このマン教授のグラフの信頼性が今年8月に大きく揺らいだのだ。  理由はマン教授の敗訴である。 彼はグラフを批判したカナダの研究者を名誉毀損(きそん)で訴えたのだが、カナダのブリティッシュコロンビア州最高裁は批判した研究者の側に軍配を上げた。 科学論争を法廷に持ち込んだマン教授の自滅劇だった。(経緯は9月17日付本紙「正論」の渡辺惣樹氏の寄稿に詳しい:下に文章を載せました)

 数本の古木の年輪幅などを基にしたとされるマン教授の気温グラフに対しては、発表当時から世界の研究者の間で疑問と批判の声が上がっていたのだった。  そうしたマン教授への批判やIPCCの内幕などを扱った『「地球温暖化」の不都合な真実』(マーク・モラノ著)が今回の判決に先立つ6月に、日本評論社から出版されている。  訳者は、東大名誉教授の化学者で東京理科大学大学院教授の渡辺正氏。

 著者のモラノ氏はジャーナリストで、米連邦議会上院の委員会での広報部長を務めた人物だ。  本書には「気温を決めるのはおもに水蒸気と雲だから、CO2が2~3倍になろうと状況はほぼ同じ」「気候変動の要因つまり変数は数百もある。政治的に選んだ1個(CO2)に固執する『対策』など、見当ちがいもはなはだしい」といったニュージーランドや英国の研究者の見解が紹介されている。

 人類の活動で大気中に増えたCO2によって地球温暖化が駆動されているというIPCCの温暖化脅威論に異を唱える科学者は少なくないのだ。 本書は読みやすいので手に取ることをお勧めしたい。章を進む度に「えっ」と驚くことだろう。日本にはあまり伝わっていない温暖化をめぐる科学論争やスキャンダルが満載だ。

≪自分で考える一助≫  私たちはIPCCに全幅の信頼を置いて、CO2による地球温暖化説を受け入れてきた。  近年の夏は確かに暑い。しかし、この変化に自然変動や都市の熱などは関係していないのか。自分で考えてみることが必要だが、現実にはデータの入手に手間暇がかかる。その点で本書は有用だ。 CO2による気温上昇を警告する「脅威派」と、それを疑問視する「懐疑派」の両陣営の研究者のほかに政治家や著名人などを交えた約110人もの見解と言動を、インタビューや引用の形で紹介しているので、温暖化問題の全体像を多角的に展望できるのだ。

 チェコのクラウス元大統領の発言も重い。  「環境運動も温暖化との戦いも、本音は世界の経済システムの変革にあります。共産主義社会に生きた私どもが夢にまで見続けた自由市場システムを壊そうという話なのですね」 地球を救えという美しいスローガンの底流には、国際経済や世界覇権の欲望が渦巻いているらしい。

**「地球温暖化」論議に再考を促す**  日米近現代史研究家 ・渡辺惣樹 2019.9.17

https://special.sankei.com/f/seiron/article/20190917/0001.html  

 「地球は温暖化している。原因は人間の生産活動が排出する二酸化炭素(CO2)が増加したためだ。従って化石燃料の使用を極力抑え、CO2排出量を削減しなくてはならない。それが次世代の子供たちへの思いやりだ」 この考え方が世の中の主流である。異を唱えれば白眼視されヘイトスピーチと言われかねない。

 ≪懐疑派学者が沈黙する理由≫  世界各地には地球温暖化防止を訴える組織が存在する。環境保護の訴えは人間の良心に響く。だからこそ地球温暖化防止推進ロビーには多額の献金が集まる。 政治家や官僚にとって地球温暖化防止運動は権限(権力)増大と増税実現には便利である。筆者の住むカナダでは、今年4月からガソリン1リットル当たり4・4セント(およそ4円)のカーボンタックス(炭素税)の導入が決まった。 数年前から自宅の庭に生える樹木の伐採までも市の許可制になった。増税と自由の剥奪が、地球温暖化防止の名目で着々と進んでいる。

 CO2にすべて押しつける「地球温暖化」に懐疑的な科学者は少なくないが、彼らの声はメディアに登場しない。地球温暖化を疑うことは「政治的に正しくない」からである。

懐疑派の学者の沈黙の理由の一つに、地球温暖化ロビーによる「スラップ訴訟」がある。懐疑派学者は、その議論の出発点にCO2説を主張する学者の論文の「怪しさ」を指摘せざるを得ない。 そうすると「怪しい」論文を書いた学者から名誉毀損(きそん)の嫌がらせ訴訟が始まるのである。  訴える学者の背後には資金力のある環境保護団体がいる。被告が和解を拒否し、裁判を闘うとなると100万ドル(1億円程度)単位の弁護費用がいる。これが(少なくとも北米では)地球温暖化懐疑派の学者が黙り込む理由である。

 懐疑派学者のなかにもおじけづかなかった強者がいた。カナダ・ウィニペグ大学元教授(地理学部)のティム・ボールである。

 ≪不自然な「曲線」への疑問≫  ボール教授はマイケル・マン教授(ペンシルベニア州立大学、気象学者)の作図したホッケースティック図(曲線)はでたらめだと激しい言葉で批判した。マン教授は、人類の化石燃料使用により地球が突然温暖化したことを「見事に」描くグラフを作成したことで知られる。急激な気温上昇線が、横に置かれたホッケーのスティックに似ている。  この図は地球温暖化ロビーには好都合だった。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が第3次評価報告書(2001年)の核として利用した。地球温暖化の原因は大気中のCO2濃度の上昇にあるとの「合意」が生まれ、脱炭素社会が唱導されることになる。

 環境保護運動のスターに一躍のし上がったマン教授はボール教授の批判が許せなかった。彼は、ボール教授の住むカナダ・ブリティッシュコロンビア州で名誉毀損裁判を起こした(11年3月)。 マン教授や彼を支援する環境保護団体は、ボール教授は高額な裁判費用を前にして和解に応じると考えた。北米西海岸は過激な環境保護主義者の多い地域である。  しかし、ボール教授は、高齢でありながら戦うことを決めた。金銭的には何のメリットもなかったが、信念は変えられなかった。戦うと決めた彼の下に、地球温暖化懐疑派の個人から献金が相次いだ。それが彼の裁判を支えた。

 ボール教授は、「11世紀から14世紀にかけての温暖期(中世温暖期)がホッケースティック図上で捨象されている。

過去千年の気温は安定していて、産業革命以降に地球温暖化が突然に始まった(二酸化炭素原因説)とするマンの主張は、データ改竄(かいざん)か計算ミスの結果だ」と考えた。そしてマン教授がグラフ作成に使用した原データを開示するよう迫った。

 ≪懐疑派学者が勝訴した≫  北米の裁判では、合理的な理由なく相手側から要求された証拠の開示を拒むことは許されない。拒めばほぼ敗訴となる。 ホッケースティック図が正確かどうかは生データを使った再検証が不可欠だ。科学論争における名誉毀損裁判であるだけに、被告側(ボール教授)の証拠開示請求には合理的理由がある。 裁判長もこれに同意して開示を求めた。

マン教授は「データ自体が知的財産である。米国の裁判所もそう判断している」として開示を頑(かたく)なに拒んだ。  8月23日、ブリティッシュコロンビア州最高裁は、原告の訴えを棄却し、被告の弁護費用全額を賠償せよと命じた。 原告の完全敗訴である。

 マン教授は、トランプ米大統領のパリ協定離脱に憤る勢力の看板学者だった。日本の人々も、地球温暖化議論が、第三者が検証できない主張から始まっていることは知っておいたほうがよい。  トランプ大統領は、地球温暖化利権の存在を知っているし、温暖化懐疑派のロジックも理解している。

日本政府は、世界の脱炭素社会実現に向けての旗振り役を務める。だからこそ温暖化懐疑派の研究も支援すべきではないか。そうすることで真の科学論争が期待できるからである。 (わたなべ そうき)