広島の豪雨災害に思う

9月19日の新聞に、7月1日現在の広島県内の地価が発表されていました。

私の住んでいる処は、1㎡当たり10万6千円で、昨年と変動はありませんでしたが、ほとんどの処は、1~4%程度の下落が見えます。

今回の豪雨災害で被害の大きかった地域を見ると、八木7丁目(ここはあまり被害が無かった地区ですが)1平方m当たり5万9千円で、昨年より1.7%減。 緑井7丁目は9万9500円で、1%増。 しかし、このデーターは豪雨災害の前ですから、この地域の土地売買は停まり、地価は大幅に下落するでしょう。

もう、皆さんもご存じだと思いますが、この八木地区の旧名は、八木蛇落地悪谷(じゃらくじあしだに)といい、山津波が起こると山肌に 蛇がうねって落ちるような細長い跡が付く様を見て地名を付けられたのではと言われています。

それが、のちに「八木上楽地芦谷(じょうらくじあしだに)」と変わり、今では、八木の一文字になったようです。

今回の豪雨災害で一部被害に遭った八木の淨楽寺は、130年前からこの地にあり、お寺の額には、豪雨の中、龍を退治する武者の絵が掲げられているそうです。 龍は水神であり、それを退治する絵が掛かっているという事は、昔から水害があまりに多い処だから、地元の住民は、水神様を祈祷するのではなく、水神を退治する程に、怨みに感じていたと思われます。

この地域が、住宅地になったのは、ほんの40年前ぐらいからです。 もとは、水田と畑が広がる景色の良い田舎で、家などもほとんど無かったのです。

私は20代の頃には、よく旧54号線を上がって吉田・三次方面に通っていたので、この八木地区がどんな所であったかは良く覚えています。

それが、54号線の幅員拡大延長工事や、既存JR線の増便、高速道路との接続、モノレールの近接、広島市との合併、多くの大型店舗の進出など、もろもろの好条件が集中し、今の宅造ブームになったのではと思います。

今回、災害に遭われた方々には、心からお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになった方々にお悔やみを申し上げたいと思います。 その上で、地方議員として、この教訓は大事にしたいと考えています。

この地域の方々が、地名を変え、山津波の惨劇の歴史を封印されたい気持ちも十分理解できますが、根本的な解決が出来なければ歴史は繰り返します。

物事に絶対はあり得ません。 しかし、今後は少しでも災害で悲しまれる方が少なくなるよう、行政と一体になって努力することを改めてお誓いしたいと思います。