少数者ルールで

>何らかの理由で社会の少数派,裏街道,夜の側に行っちゃう人が,「こっちも表だ!」とやりだすと,世の中がぐちゃぐちゃになってしまう.

以前、どこかでお話したかもしれません。22歳で小さなゼネコンに入社して、確か2~3年目ほどの新米現場監督の私。次のビル工事現場が営業部のミスで契約が遅れ、少しの間、本社勤務になった時、面白い現場を任されました。

「流川の雑居ビルを現場確認して、現場測量で図面をおこし、内部設計と積算を含めて、3週間以内に飲み屋を一軒完成させろ。」というもの。 現場確認の後、電気・水道・ガス・下水などの設備屋と打合せ。近くの駐車場を3台分確保し、その日から徹夜で図面引き。

通常だったら2か月くらい工期が掛かるので、昼夜三交代で職人達のシフトを組み、着工から約2週間で完成させました。 若いから出来た事。三日以上徹夜すると、体に良くない珍しい現象がおこる事も体験しました【笑い】

2~3回、施主が上司と現場に来られました。綺麗な和服の女性と共に。 恰幅の良い男性オーナーさんが、「監督さん、オープンして1週間くらいしたら落ち着くから招待するよ」と言われ、一着しかない背広を着て上司と共に、そのスナックのドアを開けると、「いらっしゃい~」というだみ声。 その綺麗な女性は、「おかまさん」だったのです。

上司は当然知っていたのでしょうが、私は「おかまバー」なるものは初めて。店を出るまで、借りてきた犬猫状態でした。

その頃の「おかまさん」は本当に日蔭者で、私が行きつけだった広島の安い飲み屋でも、一見して「おかまさん」を同伴した客が来た時、店内ガラガラでも、「申し訳ありません。予約以外の方はお断りしております」と。 マスターを見ると、「おいおい、ここで予約した事ないで~」と、突っ込みを入れられるような雰囲気じゃない。 彼らが出ていくと、でっち君に「おい、塩撒いてこい!」。

現代とは隔世の感がありますが、少し昔の社会では、そういう扱いが普通であり、彼らはそういう存在だったのです。 私は「マツコ・デラックス」さんは好きですし、恐らく、お話しても楽しいだろうと思います。それが芸能界で生きるための芸風だと理解できますから。

しかし、わずか1%にも満たない少数者のルールを、残りの99%の人々に押し付ける事は許されません。 少数の意見はそれなりに尊重されますが、最終的には、議決で多数となった意見に全員で従う。日本は民主主義の国なのです。

今朝の産経22面「ヘイト認定 初の氏名公表」大阪市、条例に元づき。 公表されたのは、政治団体「朝鮮人のいない日本を目指す会」大阪府舞方市の川東大了氏と、まとめサイト「保守速報」の栗田香氏でした。

大阪市の自治体条例で、他市の人達をヘイトと認定して、市のホームぺージで公表。 川崎市には、その上、罰則規定まであるようです。 2市とも共通しているのは、ヘイトの認定に明確な基準が無い事と、ヘイトと判断する委員会構成員の選定基準と、委員会会議録の公表義務が明示されていない事や、公表や罰則などの法的根拠が明確でないこと。 しかも、市の条例なのに、日本全国を対象にしているという馬鹿げたもの。

少数派の理論で日本人全員をリンチする気か?

少なくとも、これは民主主義的な決定ではないし、憲法第11条の基本的人権の尊重、第19条の思想及び良心の自由に違反しています。 また、市条例の上位法である憲法に違反しているのですから、この決定は無効です。 産経も、こんな記事を出すんなら、後に社説くらいで正論対応しろよ。