ロシアの財政破綻

プーチン大統領、ルーブルで対外債務返済を「容認」 – 産経ニュース (sankei.com)  2022/3/6

ロシアのプーチン大統領は5日、ロシアの通貨ルーブルでの対外債務返済を一時的に認める大統領令に署名した。大統領令は同日発効した。ウクライナ侵攻による経済制裁でドル取引ができずルーブル相場も下落する中、デフォルト(債務不履行)を回避する狙いがあるとみられる。

これは、大変な事態です。SWIFTが効きすぎています。

プーチン大統領は、ドル建てロシア国債を「ルーブル」で返済することを「容認」。完全な金融ルール無視ですね。「ドル建てで返済しなければならない債務(借金)を、ルーブ­­ルで返済」する時点で、債務不履行(借金を返せないこと)です

日本は、円建て国債は「円」で支払いますから、債務不履行は無いのですが、「ドル」でロシア国債を買っている場合は、絶対に「ドル」で支払わなくてはならないのです。

何故なら、時価で買った「ドル」の価値が、どれだけ乱高下しても、100㌦で買った国債は、同じ100㌦で時価決済する事になっていますから。。これが金融の国際ルールです。

ですから、SWIFTから排除されてドル決済出来なければ、ロシア国債は自動的に自国の国債を自国で処理できない状態になり、財政破綻になるのです。

プーチンが「ドル建てのロシア国債をルーブルで返済して良い」と言ったところで、ルーブルの下落が止りませんから、誰もルーブルを持ちたがりません。現在、上がっているドルと交換したいのです。

従って、ルーブルは益々下落して、国内市場でも信用を亡くし、通貨としての価値が無くなる⇒ 国家が財政破綻することに繋がるのです。3月16日からロシア国債の返還が始まります。これが出来なければ、ロシア国内は大暴動となり、ウクライナどころでは無くなるでしょう。

ロシアの財政破綻” への1件のコメント

  1. いやぁ,本当に学ぶことが多いですね.

    言い換えると,いかに自分が「国家レベルの戦争」に対して知識や理解がなかったかを思い知らされています.戦争に莫大な予算が必要なことなど,表面的な知識で知っていましたが,あっという間に,ここまで大事になるんですね.もちろん,今回の話は単なる戦費の賄の話ではなく,より広範な経済活動に対して,世界的な孤立がどのような結末をもたらすかについて学んでいるわけですが.

    例えば,私は,第二次世界大戦時の日本と世界のファイナンシャル関係についてはとんと知りません.というか,そんなことこれまで一瞬たりとも考えたことありませんでした.無論,ABCD包囲網で資源獲得に赤信号がともったこと,その一方で当時の米に比べてそもそも雀の涙ほどの経済規模しかもっていなかった(らしい)こと,その辺はなんとなく知っていたつもりでした.

    しかし,実際のところはどうだったのか? 状況証拠からすると,日本の強烈なインフレは戦「後」に発生していますね.また,日米戦は曲がりなりにも4年間の戦闘が継続した点からしても,今回のロシアほどには経済封鎖されていなかったのでしょう.海外との経済的取引は,露骨な軍事関係を除けば,通常の形(かそれに近い形で)成立していたのではないかと思います.

    さて,昨日も中共の焦りについて指摘しましたが,このロシアの経済的困窮に対しても,私は中共は案外焦っていると思います.結論から言うと,ロシアを経済的に後支え出来なかった.
    このまま見過ごして,体よく見放してロシアの自滅(崩壊)を待つ,という考え方もあるでしょうが,その方法では,私は中共は東側陣営の盟主にさえなれないと思います.ロシアとその末裔が,そんなおとなしく中共に付き従うはずがありません.絶対に,中共に歯向かう狂犬になります.

    どうこう言ってもロシアは東側陣営の盟主であり,その盟主を他国が分捕るためには,軍事的な優越もそうですが,経済的にも恩を売って完全に,スキのない支配する必要がある.
    平たく言えば,中共は,ここでしっかりとロシアを後支えしておけば,

    「ロシアを自分の子飼いに出来」

    たはずなのですよ.でも,どうしようもない体たらくでしたね.まぁ,冷静に考えたら人民元経済圏なんて,吹けば飛ぶほどのものでしかありません.中共とて,結局はドルにペッグして生きているにすぎません.

    ドルを持っている,という経済的信用,
    資源を持っているが故の,経済的強さ,

    そういうものも,経済力でしょうが,より本質的には,結局のところ,

    その国家の信用,

    こそが経済力を支えている.ゆえにSWIFTの停止の国際協調ができたわけです.

    成金中共は,この事実をどのような気分で眺めているのでしょうかね.