アダムズ方式の怪

昨日の産経新聞から。総務省は30日、令和2年国勢調査を発表。日本の総人口は平成27年比0.7%減の1億2,614万人で65才以上の割合は2%増の28.6%。

都道府県で人口増加したのは、埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・滋賀・福岡・沖縄で、残り39道府県は減少。東京23区を1市と見なした全国1719市町村の内82.5%の1419市町村で人口減少。国内に住む外国人は43.6%増の274万7,137人で、過去最高値。

さてそこで、15都県対象に衆議院選挙区の「10増10減」の問題。調整が難航しそうですね。他人ごとではなく、広島県も1減調整の県に入っていますよ。

1枠減少する県は、宮城・福島・新潟・滋賀・和歌山・岡山・広島・山口・愛媛・長崎の10県。増えるのは人口が増している所。(滋賀県だけは人口が増でも1減) 1枠以上増える所は、埼玉+1、千葉+1、東京+5、神奈川+2、愛知+1となっています。

しかも、比例ブロック定数も「3増3減」となり、東北1減、南関東1増、東京2増、北陸信越1減、中国1減となり、この中国地方は大変な事になります。小選挙区が、岡山・広島・山口の3枠減少し、比例で1枠減る訳ですから、完全に狙い撃ちをされたようなものです。

誰に? 与党自民党の力を削いだ上で、アホ野党の躍進の為に、左巻きが多い大都市圏の編重を画策する、自治労系の木っ端官僚達のシナリオだと思います

平成28年の衆議院選挙制度改革関連法成立で、令和2年の国勢調査に基づき、自公両党の答申でアダムズ方式導入が決まった経緯があって、党内部には反対しにくい空気があると書かれていますが、これでは益々、我々保守層の声は届きにくくなり、左巻きの多い大都市編重の政策が優先となります。

このままでは、山口県の安倍氏と林氏が正面切って争う事になり、岡山県も同じ様相で、あぶれた現職議員は比例に回るしかありませんから、現中国比例の石橋林太郎氏・杉田水脈氏の2名の当選は危うくなります。これを放置していた自民党本部や県連は、責任を重く感じるべきですし、早急に打開策を検討すべきだと思います。

選挙の公平公正は、人口比を解消すれば良いという単純な思考で良いのでしょうか? 人口の少ない広大な地域の小さな声をき消し、人口集中した狭い地域から多くの声を聞く事は、真の民主主義でしょうか? 

私は、人口比と面積比を加味した選挙方式を提案します。廿日市市の可住面積は15%くらいです。中でも旧吉和村と旧佐伯町は10%以下。広島県全体でも森林面積65%以上ですから、人の住める面積は35%に過ぎません。

でも、そこに住む人々は、広大な地域の森林資源を守り育てながら生活をしています。一方の大都市圏は、山奥の山林から流れ出る水を飲み、広大な山々が浄化した綺麗な空気を吸って、とんでもない量の廃棄物を生み出しています。それこそ「大都市環境税を地方に出せよ!」と叫びたいくらいに。

アダムズ方式は、第2代米大統領(1797年-1801年)のジョン・アダムズが提唱したものです。イギリスとの独立戦争等を体験し、奴隷制度の廃止などにも尽力した人です。また、「独立宣言」や「米国憲法」にも深く関わりました。

今回のアダムズ方式は、米の「選挙人選挙」の方式を見れば理解出来る事ですが、米は「1票の格差是正の取組み」などは一切行っていません。未だに米の方が1票の格差は大きいのですよ。これは検索すれば誰でも理解できます。要するに、与党自民党は、木っ端役人に騙されているだけですよ~ 少しは勉強しろよ【侮蔑の笑】 

アダムズ方式の怪” への1件のコメント

  1. 角田さん お疲れ様です。

    アダムズ方式が世界政治の中でどれだけの重要性を持っているかわかりませんが、1票の格差が低い地域と高い地域から、選挙区改善の声が聞こえてこないのはなぜでしょうね?
    弁護士はそのあたりはどのように解釈するのだろうか?
    議員の数が減る地域から、国政に田舎の声が消される、と訴えられたらどうするのでしょうかね?

    国会議員も無知ではないので、小選挙区の廃止など選挙制度改革はおこなっているのでしょうが、議員さんは忘れていませんかね?日本は自由にどこにでも居住区を選べることを。移住が難しければ、ふるさと納税のようにふるさと投票権を移住させて、国政選挙のみ、選挙地を選べるということにすれば?
    例えば1票の価値が低い選挙区に、2倍以上なので違憲判断が判決ででていますが、ふるさと選挙で国政選挙でふるさと選挙を希望しますか?など、その選挙に対して、選挙人が選択できれば、国民がその選挙に投票しようが、投票棄権だろうが、選択権を得るわけですから、結果責任を負えば良いだけ。1票の格差問題も、納得して投票した、ということになれば弁護士もかかわる余地なしになるのでは?

    でも後数年すれば、ネット選挙になりそうですけどねえ。その時はどうなっているのでしょうね?
    もしかしたら、人間とAIの格差もんだが発生していたりして、ですが。