災害対応と、それぞれの立場について

災害というと、宮島の白糸川周辺が台風の豪雨で、宮島回廊と宝物館に挟まれた道路付近が土砂で埋まり、あの一帯のお店や住宅が大変な事になった平成17年9月の台風14号の事を思い出します。

山肌の上に茶色の筋が見えるのが、今回崩落した白糸川周辺。海に浮かぶ鳥居が下のほうに小さく見えます。

その時に、たまたま衆議院選挙目前で、私も新米議長のころ。

私は災害の翌日、地元の自民党国会議員に、宮島の現地視察を要請し、災害対策緊急予算の検討準備に入りました。

緊急の災害視察で、3日後に宮島を訪れた時、偶然、当時の民主党候補が、数人の若者と共に行きのフェリーに乗っているのを見ました。

全員作業着に長靴の装備を見て、「災害ボランティアか、ご苦労さん」と思ったと同時に、大きな違和感が生じました。

災害から約1週間後、地元の自民党議員は、数人の自衛隊員を伴い現地入りし、開発事業が日本一難しい国立公園「宮島」の弥山山頂に、軍用ヘリでコンクリ―トプラントの建設を指示し、現地の石や砂を使って2か所の土留め擁壁工事を急ピッチで押し進め。 一日平均100名ほどの自衛隊員の人海戦術で約2か月間。白糸川下流の店舗や住宅の改修もあらかた終わり、宮島の美しい回廊にも、観光客の姿が見られるようになりました。

もうお分かりでしょう。 ボランティアで来ている民主党議員に対しての大きな違和感とは、「国会議員という立場があるのに、一人のボランティアで災害対応する姿」だったのです。

一般市民なら尊い姿でも、国会議員はその立場を使ってやれる事は他に沢山あるだろ? って事です。

県会議員・市議会議員でも同じ事です。 一人の人間としてシャベルを持つことも大切な行動ですが、立場立場で最大限出来ることを考えて災害に対処する姿勢が無くては、せっかくの頂いた立場が無駄になると思います。

今回の災害も、一人一人の立場と能力を最大限発揮して乗り越えていきましょう。